この曲についてのジョンのコメントで、シングルA面を目論んで作ったものの「Can't Buy Me Love」が良すぎてB面に追いやられた的なものを読んだことあるのですが、この曲の方が録音は後なのでジョンのコメントには違和感を感じます。想像力(と言うか妄想力)をフル回転させると、パリのスタジオでドイツ語版の「I Want To Hold Your Hand」「She Loves You」をレコーディングした際、あまった時間で何をレコーディングするか議論になった時、ジョンとポールがそれぞれの新曲を披露し、その時の勝者が「Can't Buy Me Love」だった、なんて経緯があったのかもしれません。当初は映画『A Hard Day's Night』で使用される予定で、演奏シーンも撮影されていたそうなんですが、結局カットされてしまいました。いわゆる「持ってない」曲なのかもしれません(苦笑)。とは言え、当時のライブのセットリスト入りは勝ち取っているので、作曲者のジョンのみならずメンバーの評価も高い曲なんだろうと思います。
続きを読むWhen I Get Home
ジョン曰く「ウィルソン・ピケット」を意識して作った曲だそうで、ビートルズ時代にジョンが作った曲の中では最もパワフルなヴォーカルが聴ける曲かもしれません。個人的な評価としては、この頃のジョンのマテリアルを繋ぎ合わせたものの、その繋ぎ目の粗さが気になってアルバムの穴埋め以上の価値を見出すことができません。
続きを読むI'll Cry Instead
映画『A Hard Day's Night』用にジョンが書き上げた曲ってことなんですが、映画のオープニングシーンに使うためって説と、「Can't Buy Me Love」のシーンに使うためって説を見たことがあります。どっちが真相なのかは分かりませんが、いずれのシーンも超強力な曲が相手なので、リチャード・レスターが却下するのももっともなことだと思います。当時ジョンは何かに腹を立ててこの曲を作ったそうですが、ジョンが腹を立てたのは映画『A Hard Day's Night』のことではないかと思っています。そんな曲を映画の挿入歌に使うってアイデアは仕返しの手段としては秀逸ですが、ジョンの思惑通りになったところで誰の得にもならなかったでしょうね。大体この曲を録音した1964年6月1日は映画の撮影が終了しており、上述の逸話の信ぴょう性を疑っています(苦笑)。
続きを読むAnytime At All
アルバム『A Hard Day's Night』のレコーディングは、映画の撮影が始まる直前の1964年3月1日で一旦終了し、4月16日にタイトル曲「A Hard Day's Night」がレコーディングされたのを挟み、6月1日と2日で「You Can't Do That」を除くB面曲が一機にレコーディングされています。6月1日と2日にレコーディングされた曲は、アルバム『A Hard Day's Night』のB面もしくはEP盤「Long Tall Sally」に収録されることが最初から決まっており、メンバーのモチベーション的には決して高くなかったのではと思うのですが、なかなかの力作ぞろいとなりました。
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