本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

You Can't Do That

この曲についてのジョンのコメントで、シングルA面を目論んで作ったものの「Can't Buy Me Love」が良すぎてB面に追いやられた的なものを読んだことあるのですが、この曲の方が録音は後なのでジョンのコメントには違和感を感じます。想像力(と言うか妄想力)をフル回転させると、パリのスタジオでドイツ語版の「I Want To Hold Your Hand」「She Loves You」をレコーディングした際、あまった時間で何をレコーディングするか議論になった時、ジョンとポールがそれぞれの新曲を披露し、その時の勝者が「Can't Buy Me Love」だった、なんて経緯があったのかもしれません。当初は映画『A Hard Day's Night』で使用される予定で、演奏シーンも撮影されていたそうなんですが、結局カットされてしまいました。いわゆる「持ってない」曲なのかもしれません(苦笑)。とは言え、当時のライブのセットリスト入りは勝ち取っているので、作曲者のジョンのみならずメンバーの評価も高い曲なんだろうと思います。

続きを読む

When I Get Home

ジョン曰く「ウィルソン・ピケット」を意識して作った曲だそうで、ビートルズ時代にジョンが作った曲の中では最もパワフルなヴォーカルが聴ける曲かもしれません。個人的な評価としては、この頃のジョンのマテリアルを繋ぎ合わせたものの、その繋ぎ目の粗さが気になってアルバムの穴埋め以上の価値を見出すことができません。

続きを読む

Things We Said Today

レコードではB面の3曲目に収録されており、映画『A Hard Day's Night』には使用されていない曲です。にもかかわらず、シングル「A Hard Day's Night」のB面曲としてリリースされています。当時のコンサートのセッティングリストにも入っていることから、この曲に対するメンバーの評価の高さが窺われます。このアルバムは13曲中10曲をジョンが作曲しており、ビートルズの全作品で最もジョン色の濃いアルバムだと思いますが、ポール作の3曲も佳曲揃いでポールも力を付けてきたことが分かります。

続きを読む

I'll Cry Instead

映画『A Hard Day's Night』用にジョンが書き上げた曲ってことなんですが、映画のオープニングシーンに使うためって説と、「Can't Buy Me Love」のシーンに使うためって説を見たことがあります。どっちが真相なのかは分かりませんが、いずれのシーンも超強力な曲が相手なので、リチャード・レスターが却下するのももっともなことだと思います。当時ジョンは何かに腹を立ててこの曲を作ったそうですが、ジョンが腹を立てたのは映画『A Hard Day's Night』のことではないかと思っています。そんな曲を映画の挿入歌に使うってアイデアは仕返しの手段としては秀逸ですが、ジョンの思惑通りになったところで誰の得にもならなかったでしょうね。大体この曲を録音した1964年6月1日は映画の撮影が終了しており、上述の逸話の信ぴょう性を疑っています(苦笑)。

続きを読む

Anytime At All

アルバム『A Hard Day's Night』のレコーディングは、映画の撮影が始まる直前の1964年3月1日で一旦終了し、4月16日にタイトル曲「A Hard Day's Night」がレコーディングされたのを挟み、6月1日と2日で「You Can't Do That」を除くB面曲が一機にレコーディングされています。6月1日と2日にレコーディングされた曲は、アルバム『A Hard Day's Night』のB面もしくはEP盤「Long Tall Sally」に収録されることが最初から決まっており、メンバーのモチベーション的には決して高くなかったのではと思うのですが、なかなかの力作ぞろいとなりました。

続きを読む

Can't Buy Me Love

アルバム『A Hard Day's Night』のA面ラストは、既発表のシングル曲「Can't Buy Me Love」です。アメリカでは1964年3月16日に発売されており、イギリスの方はそれより遅い1964年3月20日に発売されています。アメリカの方が先行してリリースされるなんて半年前では考えられない事態ですが、それだけ「I Want To Hold Your Hand」のヒットのインパクトが大きかったのでしょう。

続きを読む

Tell Me Why

初期のビートルズは、特にコーラスやハーモニーにおいて、アメリカのガールズポップの影響を多大に受けていました。その割には、そういったテイストのオリジナル曲ってのが意外とありませんでした。「Tell Me Why」は映画『A Hard Day's Night』収録曲にアップテンポの曲が少ないという要請を受け、ジョンが書き上げた曲と言われています。そしてこの曲は、ビートルズの全作品でアメリカのガールズポップの影響が最も色濃く出た作品となりました。レコーディングは2月27日に行われ、8テイクで録音は終了しています。

続きを読む