本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

追憶の「レット・イット・ビー」と「ドント・レット・ミー・ダウン」

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3月13日の夜、TRICERATOPS和田唱のツイートで松村雄策氏が亡くなったことを知りました。生前、和田唱と面識があったことにも驚きましたが、自分の音楽生活に多大な影響を与えた松村氏の死はとてもショックでした。数年前に脳梗塞で倒れたことは知っていましたが、2年前にガンに罹患して闘病中だったこと、ガン治療の高額医療費を渋谷陽一氏が支払っていたことは知りませんでした。

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『ザ・ビートルズ:Get Back ルーフトップコンサート』

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「Get Back」は結局3回観て、きりがないのでディズニープラスを解約したのですが、ルーフトップコンサートを劇場で観れるというナイスな企画、これを見逃すと一生後悔すると思い、本日行って参りました。蔓延防止なんちゃらの最中にもかかわらず、場内はほぼ満員。ビートルズ関連のイベント特有の、自分なんかまだまだチェリーボーイ感は今回もきっちり感じましたが、明らかに10代20代と思われる客層も多く、非常に心強く感じました。

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Baby's In Black

アルバム『A Hard Day's Night』が発売されてから約一か月後、1964年8月11日に次のアルバムのためのレコーディングが開始され、最初に録音されたのがこの曲でした。この曲のモチーフになっているのが、アルバム『With The Beatles』のアルバムジャケットでお馴染み、ハーフシャドウと呼ばれる撮影技法を発案したアストリッド・キルヒャーと言われています。アストリッドはビートルズの元メンバー、スチュアート・サトクリフと恋仲であったことでも知られています。この曲は、スチュアートの若すぎる死を乗り越えることができなかったアストリッドのことを歌ったものと言われています。楽曲を発表してから1966年の最後のアメリカ公演までコンサートのセットリストに名を連ねており、ジョンとポールのお気に入りの曲だったようです。ビートルズには珍しい6/8拍子の楽曲です。『A Hard Day's Night』収録の「I'll Be Back」の初期テイクが6/8拍子だったのは、この曲のような仕上がりをジョンは思い描いていたのかもしれません。

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I'm A Loser

レコーディングは1964年8月14日に行われ、8テイクでその日のうちに終了しています。YouTubeでこの曲の初期テイクを聴くことができますが、イントロとエンディングが違うくらいで、楽曲の構成はほぼ完成版と同じような感じになっています。作曲者のジョンが事前にしっかりと作りこんできたから、アレコレいじる必要がなかったのでしょう。

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アルバムのオープニングにしては渋すぎる曲で、前の3枚のアルバムとは明らかに雰囲気が異なります。愁いを帯びたメロディラインはこれまでの作品にはないもので、ビートルズが次のステップに向けて走り始めたことが伝わってきます。レコーディングは1964年9月30日に行われ、その日のうちに8テイクで完成しています。

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『ザ・ビートルズ:Get Back』

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劇場上映予定だったのがネット配信に変わった時は落胆しましたが、完成品を見て「ネット配信で大正解」と180度評価を変えてしまいました(爆)。3部作で約8時間の大ボリュームも、ネット配信でなければ実現できなかったでしょう。余計な演出を一切いれなかったのは、監督ピーター・ジャクソンの最大の功績で、おかげ全くストレスなく作品を楽しむことができました。

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『Beatles For Sale』

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名盤揃いのビートルズのアルバムの中にあっては地味な印象は拭えませんが、アルバム『A Hard Day's Night』で完成した初期ビートルズサウンドから新たな一歩を踏み出した、ビートルズ史において重要な作品であることは疑いの余地はありません。シングル曲が収録されていないことと、全曲オリジナルでない点がこのアルバムの印象を悪くしている気がします。とは言え、アルバム『A Hard Day's Night』から半年の間に、シングル合わせて10曲もオリジナルを作った彼らに対し、我々はリスペクトが圧倒的に不足しているのではないでしょうか(苦笑)。

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