本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

Please Please Me

Love Me Do」がそこそこのヒットを記録したことで、
ジョージ・マーティンの要請により間髪入れずにセカンド・シングルをリリースすることが決まり、
ビートルズのメンバーが次のシングルとして用意したのが、
9月のレコーディングではボツになった「Please Please Me」でした。

 ボツにはなったものの、テンポアップをアドバイスしたジョージ・マーティの慧眼は
さすがと言うしかありません。
初期バージョンは何となく想像できるものの、僕は聴いたことありません。
海賊盤とかで聴く事ができるんでしょうか?

この曲のレコーディング時は、まだリバプールを拠点としていた為、
レコーディングのためにリバプールからロンドンに出てきています。
そのためロンドンに持ち込む機材を少しでも減らそうとして、
エレクトリックにも、アコースティックにも使えるJ-160Eが重用されたようです。
だから、この日に録音された「Please Please Me」「Ask Me Why」は
ジョン、ジョージともにJ-160Eを弾いていると思われます。
ただし、ジョージは2曲ともアンプに繋いで演奏していますが、
この曲ではジョンはアンプに繋がずアコギとして使っています。

Love Me Do」と同じようにハーモニカが使われてるんですけど、
この曲のハーモニカの使われ方は「Love Me Do」とは別モンだと思います。
Love Me Do」の方は、リード楽器としてハーモニカが演奏されているのに対し、
「Please Please Me」では、ジョージのギターリフのサウンドエフェクト的な使われ方で、
フレーズ自体もジョージがギターで考え出したものでないかと。
一般的にはジョンのハーモニカのフレーズに、ジョージがギターで合わせたって感じになってますが、
どう考えても、あのフレーズはハープ奏者が生み出したものとは思えない。
何の根拠もなく偉そうに語ってますが、
ファンの間では周知の事実だったら、恥ずかしいことこの上ないのですが(苦笑)。

前のシングルのレコーディングでは酷い仕打ちをうけたリンゴも
めでたくドラムを叩かせてもらえて、晴れてビートルズの一員として認められたのではと思います。
それくらい、この曲のドラムは素晴らしい。
いや、この曲に限らず、ビートルズサウンドの肝はリンゴのドラムなんで。

デビュー2作目のシングルにして、
早くも「ビートルズ」というジャンルの初期モデルを確立した、記念すべき一曲が完成しました。
この初期モデルはレコーディングの度にバージョンアップを繰り返しながら、
アルバム『A Hard Day's Night』まで突っ走ることになります。