本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

Boys

オリジナルは、女性4人組のヴォーカル・グループであるThe Shirellesが「Will You Love Me Tomorrow」のB面曲として1961年に発表しました。

 「Will You Love Me Tomorrow」は「Chains」と同じくキャロル・キングが作曲し、全米No.1を獲得する大ヒットとなりました。「Boys」の方はLuther DixonとWes Farrellが作曲しましたが、この2人のことは正直知りません(爆)。

 

2月11日のレコーディングでは、19時半からのセッションの怒涛のカバー曲大会で「Anna(Go To Him)」の次に演奏され、たった1テイクでOKになっています。リンゴの前任のドラマー、ピート・ベスト在籍時もビートルズのレパートリーにしていたのに加え、リンゴ自身もハリケーンズ在籍時にレパートリーにしていたって事で、メンバーにとって演奏しなれていた楽曲だったのでしょう。

 

女性目線から男性について歌った歌詞そのまま歌ったことで、ビートルズが同性愛者じゃないのかって噂も出たらしいんですけど、もしこの曲がジョンのレパートリーだったら、ブライアン・エプスタインは大変な事になっていたのではないでしょうか(苦笑)。

 

「Anna(Go To Him)」「Chains」同様に、基本的にオリジナルに忠実な演奏ですが、オリジナルでは間奏がサックス・ソロなのに対しジョージがデュオ・ジェットでソロを弾いています。先ほどオリジナルに忠実な演奏と書きましたが、例外なのが間奏のジョージのギターソロで、オリジナルのサックス・ソロとは別物のジョージが考えたフレーズを弾いています。休符の取り方や裏のノリを強調したジョージらしさ溢れるフレーズで、オリジナリティ溢れるなかなかの名演ではないでしょうか。ジョンはいかにもリッケンって音でハードなリフを弾いています。ポールのベースはブレーク時以外は基本的に8分弾きで、時折ジョンのフレーズに合わせて弾いています。リンゴのドラムは、スネアの音から力いっぱい叩いてる様子が目に浮かびます。初期のリンゴのドラムと言えば、アップテンポの曲ではシンバルを団扇を仰ぐように叩くスタイルを連想しますが、この曲ではハイハットを閉じて叩いています。

 

ジョージ、リンゴがリードヴォーカルの曲では、ジョンとポールのハモりやコーラスについ耳がいってしまうんですが、この曲のリンゴのヴォーカルはかなり頑張ってるんじゃないでしょうか。前述の通り歌いなれていたからか、リンゴにしては相当高い音まで出していますからね。それ以上にポールのコーラスが元気いっぱいなのには困ったもんですが(苦笑)、ガールズポップス要素をポールが一手に引き受けているから、仕方ないのかもしれません。

こっちはThe Shirellesのバージョン