本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

Baby It's You

LPレコードではB面の3曲目に収録されました。先日紹介した「Boys」と同じく、オリジナルはThe Shirellesが発表しました。

 「Boys」はシングルのB面曲だったのでチャートインしませんでしたが、「Baby IT's You」の方は1961年にビルボード8位の大ヒットを記録しました。オリジナルに忠実なビートルズのバージョンと大した違いはありませんが、間奏のオルガン?の音色がやたらと甲高くて1970年代後半のイギリスのニューウェーブのバンドを連想させたのが、しっとりした楽曲とミスマッチで面白かったです。

 

ビートルズのバージョンは、1963年2月11日のレコーディングで「Twist & Shout」の1つ前に録音されました。3テイクで録音を終了し、後日ピアノとチェレスタがオーバーダビングされています。ピアノとチェレスタ、共にジョージ・マーティンが演奏しましたが、ピアノについてはレコードに残っていません。あまり馴染みのないチェレスタって楽器は、その音色から鉄琴のような形状を連想しますが鍵盤楽器です。間奏でジョージのギターと同じフレーズを弾いています。

 

先ほどビートルズのバージョンはオリジナルに忠実と書きましたが、オリジナルの方も大したアレンジがなく、バックの演奏は余計なことは一切せず歌を聴かせることに専念しています。バート・バカラック作の楽曲が良すぎるから、誰が演奏してもこんな感じになるのかもしれません。


ジョンはJ-160Eをアンプに繋げてエレクトリックのサウンドを鳴らしていますが、ヴォーカルマイクが拾ったのか生の音もところどころで聞こえてきます。ジョージはデュオ・ジェットで、ジョンと同じようにコードを鳴らしていますが、ところどころでリフ入れたりコード・カッティングしたりしています。間奏のギターもデュオ・ジェットだと思うのですが、やけにバキバキの深みのない音で、ジョージ・マーティンチェレスタを重ねたくなるのも分かる気がします(苦笑)。ポールとリンゴもシンプルな演奏に徹していますが、ポールのベースとリンゴのバスドラがシンクロしているのがポイントでしょうか。

 

まぁ何と言ってもこの曲の最大の聴きどころはジョンのヴォーカルに尽きます。先ほども書いたように、この曲は「Twist & Shout」の1つ前に録音されており、風邪で調子が悪かったジョンの喉も限界に近づいていたはず。ただ、若干しんどそうに聞こえた「Anna(Go To Him」のヴォーカルと比べると、持ち直しているように聞こえます。間に「Boys」「Chains」とジョンがメイン・ヴォーカルでない曲を挟んだので、少し回復したのかもしれません。それはともかく、当時まだ22歳だったとは思えない艶っぽいヴォーカルは、ほんとたまりません。レコーディングの場にエプスタインはいたのでしょうか。いたとしたら、どんな気持ちでこの曲を聴いたんでしょうか(爆)。五線譜と楽譜記号では表現しきれないジョンのヴォーカルテクニックが堪能できる、会心の一曲だと思います。

こっちはThe Shirellesのバージョン