本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

Do You Want To Know A Secret

この曲に対するジョンのコメントで「ジョージにくれてやった」的なニュアンスのものを見たことがあり、ジョン的にあまり満足できる楽曲に仕上がらなかったのかもしれませんが、前述のコメントに反してなかなか聴きどころの多い楽曲だと思っています。

 まぁ「くれてやった」って表現は翻訳した人の匙加減で何とでもなりますし、あまりこだわることもないでしょう(笑)。

 

ジョンがシンシアと結婚した際、ブライアン・エプスタインは自身が利用していたアパートメントを譲ったそうなんですが、彼が恋人と会うためにリバプールに持っていた隠れ家だったそうです。隠れ家(=秘密)ってシチュエーションにインスピレーションを受けて、この曲が出来上がったとの事です。ってこの話、ネットで見つけた情報で真偽のほどは定かでないのですが、ブライアン・エプスタインの性的指向とかジョンに対する想いとかを勘案すると、色々と妄想が膨らみますね(笑)。

 

軌道修正して楽曲の話に戻ります。歌いだしはスパニッシュ風ギターのスタイルでEmから始まりAm→Em→G→F→B7と進行しますが、このコード進行は楽曲の本編とは全く関係ありません(笑)。誰のアイデアか分かりませんが、後の「If I Fell」でも同様のスタイルが見られるので、恐らくジョンが主導したのだろうなと思います。ジョン、ジョージともにJ-160Eをアンプに繋いでいるのではと思います。生の音もけっこう聞こえますが、例によってヴォーカルマイクが拾ったものではないでしょうか。ギター2本とも基本的にコードを鳴らしていますが、ただかき鳴らすのではなく、伸ばしたり音を短く切ったり工夫が見えます。

 

ジョージのヴォーカル曲ではやたら張り切る説のポールのベースですが、その説はデビューアルバムのこの曲で既に立証されています(笑)。彼らの初期の作品は歌いながらステージで演奏することを前提としていたので、ポールのベースは比較的シンプルなプレーが多いのですが、この曲は手数が結構多いです。ただ「おぉっ」と唸るほどのフレーズではないかな。おまけにミドルの「I've known the secret for a week or two」のweekの部分でC#を弾くべきところCを弾いていたり、フェードアウトの辺とか結構怪しいプレーになったりします(苦笑)。リンゴのドラムも、楽曲のキメのところのバスドラ連打とか良い感じだし、バックの演奏はかなりクオリティ高いかなと思います。

 

ジョージはこの曲のヴォーカルには苦労したようです。カバー曲の場合、本家のヴォーカルが手本にできますが、オリジナル曲の場合、手本になるものがありません。自分が作った曲だったら、作曲の過程でヴォーカルのイメージが出来上がりそうなもんですけど、これはジョンが作った楽曲。ジョージの苦労も理解できます。ただ、ジョージにメロディを教えるために、何度かジョンが歌って聞かせているはずなので、少なからずジョンのヴォーカルの影響を受けているはずです。ジョージのヴォーカル曲に纏わるもう一つの説、ジョンとポールのハモりがジョージのメインヴォーカルを食う説については、この曲ではジョンとポールはコーラスのみなので立証されませんでした(笑)。

 

ジョン的には「くれてやった」曲かもしれませんが、楽曲やビートルズの演奏は非常に魅力的で、僕はこの曲が大好きです。