本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

Don't Bother Me

ジョージ初のオリジナル曲です。

 1963年9月11日にレコーディングされたものの、満足のいく出来ではなかったため、翌日にリメイクして完成しました。YouTubeでリメイク後のアウトテイクを聴くことができますが、イントロのあとブレイクが入っていたのが確認できます。って言うか、僕の知る限り、OKテイクのみブレイクが入ってないように思います。

楽曲全編で繰り返されるギターリフはジョンがリッケンバッカーで弾いています。リッケン特有のサウンドは単音のギターリフには向いてないなと思いつつ、トレモロの効果もあってなかなか面白いサウンドになっています。ジョージはカントリージェントルマンを弾いていると思いますが、初のオリジナル曲のヴォーカルに専念するため、間奏のリードプレイを除けば歌中は控えめにコードを鳴らすにとどまっています。間奏は歌メロから派生したようなフレーズで無難な感じですが、一か所コードから外れた音が入ってるのはミストーンではなく、狙ったものではないでしょうか。メンバー4人で演奏したベーシックトラックでは、ジョージはヴォーカルとリードギターの両方でOKとらないといけなかったので、プレッシャーは相当なものだったのではないでしょうか。

そのジョージのヴォーカルですが、ダブルトラックで何とか誤魔化したって感じで、ベーシックトラックのヴォーカルはこれでよくOKになったなって印象を受けます(苦笑)。オリジナル曲を歌う難しさに直面したってとこでしょうかね。ジョンとポールのハモリやコーラスは一切なし。楽曲の弱さをハモリやコーラスで補うって手もあったと思うのですが、ハモリやコーラスがハマる感じもあまりしません(苦笑)。「ジョージの楽曲あるある」ポールがベースを張り切る説の通り、ベースの手数が多く繰り返しの少ないプレーです。前述の通りジョンもギターリフを弾いているので、ベーシックトラックでジョンとポールがハモリあるいはコーラスを入れるのは難しかったかもしれません。

ジョージ初のオリジナル曲ってことで、レコーディング中ナーバスだったジョージを他のメンバーが励ましていたそうです。ジョージがヴォーカルをオーバーダビングする際も、他のメンバーはジョージをサポートすべくパーカッションを手にとり参加しています。リンゴが演奏したアラビアン・ボンゴの音について、チューニングが狂ってるんじゃないかと思ったのですが、調べてみるとこういう音なんですね(苦笑)。3人が演奏したパーカッションの中では、ポールが担当したクラベスが一番戦力になっているように思います。オーバーダビングのパーカッションについては、ジョージを応援してるのか邪魔してるのか悩ましいところです。どうせだったら、ハモってあげても良かったんじゃないかなぁ。