本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

I Wanna Be Your Man

ローリング・ストーンズの2枚目のシングル用に提供した曲のセルフカバーです。ストーンズにこの曲を提供した経緯はWikipediaに詳しく書かれているので、そちらを見ていただければと思います。ストーンズに提供した曲ではありますが、レコーディングしたのはビートルズの方が若干早いです。ただし、リリースはストーンズの方が早く、イギリスのシングル・チャートで最高12位を記録しています。

 全部で15テイク録音していますが、ベーシックトラックに7テイク、残りの8テイクはオルガンやマラカスなどのオーバーダビングに費やしています。レコーディングは1963年9月11日、12日、30日、10月3日と4回に分けて行われていますが、9月11日はたった1テイクで終了しており、ひょっとしたらその後に楽曲に何等かの手直しを加えたのかもしれません。

ジョージのギターから楽曲は始まるのですが、こんな奇妙なフレーズでも楽曲になだれ込むことができる他のメンバーは偉いなぁって思います。サビではオクターブ奏法を披露していますが、太くて甘い音色はイントロや間奏のギターの音とは違うので、この部分はオーバーダビングかなと思います。ジョンはリッケンバッカー325を演奏しています。トレモロのかかった音色で低音弦を強調してコードを弾いています。オルガンと重なってあんまりよく聴こえませんが、楽曲のノリを作っているのはこのギターだと思います。ポールはメインヴォーカルでもないのに、ベーシックなプレーに徹しています。リンゴのドラムはハイハットの音とオーバーダビングしたマラカス?の音が妙に目立って、スネアやバスドラはオフ気味になっています。ハイハットは歌中はオープンですが、サビの終わりだけクローズドにして変化を入れてます。「Twist & Shout」でも似たようなことやっていたので、これはリンゴのクセなのかもしれません。

リンゴのヴォーカルはダブル・トラックです。ベーシック・トラックではドラムを叩きながら歌っていると思います。ライブでは力みかえって結構音を外したりしてたんですが(苦笑)、レコードでは腹八分目くらのヴォーカルでスマートささえ感じます。ところがサビの部分では、いくら耳を澄ませてもリンゴの声が聴こえてきません(汗)。一番美味しいところは、ジョンとポールに持っていかれたって感じでしょうか。ライブではリンゴも歌ってるんですけどね。

ポールによると、この曲はボ・デイドリー風だそうで、言われてみればそんな気もします。ボ・デイドリーっぽさではストーンズのバージョンの方が勝りますが、ビートルズのバージョンの方がサウンドはお洒落だなと思います。ところでこの曲、ジョンとポールの未完成の曲を繋いで完成させたもので、Aメロをジョン、サビをポールが作ったと思っているのですが如何でしょうか。根拠はないんですけどね(笑)。

こっちはストーンズのバージョン