本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

McCartney III

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アルバムタイトルを見ると「McCartney」や「McCartneyII」との類似性を求めたくなりますが、ビートルズやウイングスの解散前後に制作したこれらのアルバムとは、似ているのはタイトルだけで全くの別物だと思います。ウイングス解散以降バンド名義で活動をしていないポールにとって、ソロアルバムを発表するのは全くの通常営業。プロデューサーやバックバンドを起用していないのが今作の特徴ですが、ポールの通常営業の範囲内と言って差し支えないでしょう。

当初は発表予定ではなかったと言う制作過程や、ポールがプロデュースしてるってことで(苦笑)、内容にはあまり期待していなかったのですが、これは良いアルバムじゃないですかね。ポール自身のパフォーマンスやサウンド自体の完成度が高い訳ではありませんが、良い曲が多くて聴いていて疲れない。何より、聴いていて楽しいってことに尽きるのではないでしょうか。

これまでのポールの活動を振り返ると、逆境時に名作を生み出しているので、そういう意味では昨年からのパンデミックはこれ以上ない逆境な訳で、ポールが名作を生み出すには申し分ない条件だったと言えます。ただ、今作に関してはポール自身が楽しんで制作したことが一番かと(笑)。過去にはポール自身が楽しんで制作した作品は、我々ファンには楽しくないことが多かったのですが(苦笑)、今作はポールが楽しんだことをファンも共有できる作品になってくれてホント良かった(笑)。

個人的なお気に入りは以下の通りです。

・Find My Way

・Women And Wives

・Lavatory Lil

・Slidin'

・Seize The Day

・Deep Down