本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

When I Get Home

ジョン曰く「ウィルソン・ピケット」を意識して作った曲だそうで、ビートルズ時代にジョンが作った曲の中では最もパワフルなヴォーカルが聴ける曲かもしれません。個人的な評価としては、この頃のジョンのマテリアルを繋ぎ合わせたものの、その繋ぎ目の粗さが気になってアルバムの穴埋め以上の価値を見出すことができません。

 レコーディングは1964年6月2日に行われ、11テイクで終了しています。この日は他にも「Anytime At All」「I'll Cry Instead」「Things We Said Today」がレコーディングされていますが、翌日にリンゴの体調が悪化し、その翌日から予定されていた海外ツアーのためジミー・ニコルを代役に立てることになります。6月3日になって急に体調不良になったのではなく、6月1日と2日のレコーディング時から兆候があって、リンゴにとってとても辛いものだったのではないでしょうか。

楽曲の方は、そんなリンゴの体調不良もおかまいなしに、非常に激しいサウンドになっています。ドラムはシンバルとバスドラをオーバーダビングしているようですが、楽曲が進むにつれてベーシックトラックからずれていきます。こういうところにもリンゴの体調不良の兆候が表れているのかもしれません(汗)。ギターはジョンとジョージともリズムを刻むのに専念しています。ジョンはリッケンバッカー325、ジョージはカントリージェントルマンを弾いていると思われます。2人とも自由奔放に弾いているようにも聴こえますが、一応ジョンの方が短めに音を切って、ジョージの方が長めのストロークって役割分担はあるようです。ポールのベースは基本的にアクセントをつけながらルート音を鳴らすのに終始していますが、一回だけ登場するサビでは上がり下がりのあるフレーズを一瞬弾いています。ヴォーカルは上から順番にポール、ジョージ、ジョンの3声のコーラスで始まり、"When I Get Home"からジョンの独壇場が始まります。ジョンのヴォーカルは基本シングルトラックですが、サビだけダブルトラックになっています。

このアルバムの中では正直それほど出来が良い曲だと思えませんが、少々強引であっても押し切れるくらい、当時のジョンの充実ぶりが垣間見える曲であるとも思います。