本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

『ザ・ビートルズ:Get Back』

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劇場上映予定だったのがネット配信に変わった時は落胆しましたが、完成品を見て「ネット配信で大正解」と180度評価を変えてしまいました(爆)。3部作で約8時間の大ボリュームも、ネット配信でなければ実現できなかったでしょう。余計な演出を一切いれなかったのは、監督ピーター・ジャクソンの最大の功績で、おかげ全くストレスなく作品を楽しむことができました。

同じ素材から制作されたにも関わらず、映画『LET IT BE』とこれ程までに印象が変わるものかと驚きしかありません。『LET IT BE』がバンド崩壊の過程を見せられているだけだったのに対し、共通の目的を達成すべくメンバーが協力し合うポジティブな面も今作では見る事ができました。メンバー間の見るに堪えない言い争いのシーンが殆ど収録されていないので、今作にポジティブな印象も受けるのは当然かなって気もします。『LET IT BE』の監督、マイケル・リンゼイ=ホッグの登場シーンが多いのは監督の立場上当然なのですが、現場で起こっていたことを目の当たりにしていたら、『LET IT BE』のような重苦しい映像作品しか作れないよなって同情します。

あと特筆すべきはカラー映像の美しさで、撮影から40年超の時間の経過を忘れさせてくれます。当然ではありますが、メンバー4人がとにかく若い。当時4人とも20代の後半に差し掛かり、男性として最も輝いていた時期であったと思われます。画面越しであっても伝わってくるフェロモンがハンパではなく、奥さんや彼女以外にも沢山の女性達とセッションをされたのではないでしょうか(笑)。メンバー4人の当時の奥さんと彼女が全員登場しますが、リンダとモーリンについては「こんなに可愛いかった?」てな感じで、今まで見落としていた彼女達の魅力に気付くことができました。パティはほんのちょっとしか登場しなくて残念。

非生産的なジャムセッションが数多く収録されている一方、アルバム『LET IT BE』収録曲はもちろんのこと、『ABBEY ROAD』や後のソロ作品として発表される作品の原型であったり、過去のビートルズ作品(しかも意外な楽曲)も演奏されており、音楽作品として見どころ聴きどころは満載。とりわけ、漠然としたアイデアから徐々に楽曲が出来上がっていくプロセスが収録されているシーンは必見です。

これから観る人の興味が削がれないよう、感想はこれくらいに留めておきます。元々は、無料期間内にディズニープラスを解約予定でしたが、もう一度見直したいので延長することにしました(笑)。