本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

Words Of Love

ビートルズに多大な影響を与えたバディ・ホリーの楽曲で、ビートルズはデビュー前からビートルズ解散後も彼の楽曲を数多く演奏しました。しかしながら、ビートルズ時代にレコーディングして正式にリリースしたのはこの曲だけでした。バディ・ホリーがこの曲を録音した当時、マルチトラックの録音技術はなかったのですが、テープToテープを駆使して1人で全てのパートを演奏したそうです。

この曲は「I Feel Fine」と同じ1964年10月18日にレコーディングされました。この日は前述の「Rock And Roll Music」や「Kansas City/Hey, Hey, Hey, Hey」も含めて5曲もカバー曲がレコーディングされており、アルバムリリースの期日に間に合わせるため、演奏し慣れた曲ということでこの曲も採用された可能性大です。

ヴォーカルはジョンが下のパート、ポールが上のパートというお馴染みの割り振りですが、デビュー前はジョンとジョージのデュエットだったそうです。ジョージからポールにヴォーカルが代わった経緯は分かりませんが、ジョージがギターパートに専念するためというのが最も現実的な理由かと思われます。ジョンのパートの方が大き目にミックスされているので、こっちの方が主旋律ってことなんでしょう。ジョージには申し訳ないけど、ジョンとポールのデュエットは流石の安定感がありますよね。

ギターパートは2弦5フレット目と1弦開放を同時に鳴らすフレーズが12弦っぽくも聴こえますが、ジョンとジョージのギターの合作によるものです。ジョージはテネシアン、ジョンはJ-160Eをアンプに繋いで演奏していると思われます。オリジナルのようにエレキのリードギターとアコギのバッキングの組み合わせではなく、ジョージとジョンともにリードギターのフレーズを演奏しています。ドラムについても、タム中心のオリジナルに対して、リンゴはリムショットで控えめな演奏です。オフ気味にミックスされているので、手拍子の方がハッキリと聞こえます。1963年のBBCライブではツイストのパターンで叩いていたのですが、その辺はリンゴの気分で変わったんでしょうか。

楽曲の構成は極めてシンプルで、1つのパターンの繰り返しなので何となく聴いているとあっという間に終わってしまいます。実際のところ楽曲自体も短いんですけど、カバーだけどビートルズらしさが濃縮されたような楽曲で、聞き流さずにじっくり楽しまないと勿体ない作品だと思います。

Buddy Holly