本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

Honey Don't

ビートルズに多大な影響を与えた(このアルバム収録曲、こればっかりw)カール・パーキンスの曲のカバーです。オリジナルは「Blue Suede Shoes」のB面としてリリースされたのですが、A面と同系統の曲をカップリングすることに誰も反対しなかったのか不思議でなりません(苦笑)。当時はB面曲の扱いはその程度のものだったのかもしれませんが、そんな扱いだったB面曲から良い曲を探り当てる嗅覚の鋭さは、ビートルズのメンバーはリスナーとしても一流だったと言うのは褒め過ぎか(笑)。

元々はジョンのレパートリーで、ジョンが歌っているバージョンをBBCライブで聴くことができますが、何でこれをリンゴが歌うことになったんでしょうか。オリジナルのリンゴ・ヴォーカル曲を用意していなかったから、カバーのレパートリーの中から適当に見繕っただけかもしれませんが、ジョンのヴォーカルとは全くテイストが違いながらも「これはこれでアリ」と思えてくるから不思議なものです(笑)。この曲がレコーディングされたのが1964年10月26日、アルバム用のレコーディングの最終日であることから、前述のリンゴ・ヴォーカル曲がなかったのでカバー曲から適当に見繕ったというのはあながち的外れではないかもしれません(笑)。

使われている楽器数が少ないので、各メンバーの演奏が非常に聞き取りやすいので、耳コピの練習には打ってつけではないかと思います。ジョージのギターはオリジナルのフレーズに忠実に演奏しているのですが、ジョージらしくキッチリカッチリと演奏しているので、本家のカール・パーキンス以上にオリジナルっぽく聞こえます。「このフレーズはテネシアンのためにあるんじゃないの?」と思えるくらい、テネシアンの音色がとても心地よいです。ポールのベースは音の輪郭がハッキリした硬めの音で、この頃のビートルズの楽曲には珍しい音色になっています。普段とは違うトーンコントロールを試したのかもしれません。サウンドの隙間を埋めるように鳴り響くJ-160Eですが、音の鳴りが悪いことに定評にあるこのギターから実に良い音をジョンは鳴らしています。手首のスナップを効かせたストロークが特徴のジョンの演奏ですが、相当手首が強くないとこんなに音は鳴らないと思います。1回目の間奏の後、すごく小さな音でハンドクラップが聞こえるのですが、タンバリンと一緒にダビングされたものなんでしょうか。タンバリンはともかく、ハンドクラップの方は戦力になっているとは思えませんが(苦笑)。

個々の楽器は結構ハードに演奏しているのですが、リンゴのヴォーカルのおかげで楽曲自体はホノボノした雰囲気が漂っています。楽曲の雰囲気を決定づけるという点では、ジョンに負けず劣らずリンゴのヴォーカルも大したものだと思います。

Carl Parkins