本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

Everybody's Trying to Be My Baby

今までカール・パーキンスのオリジナル曲だと思っていたのですが、作曲したのはレックス・グリフィンと言われています。「レックス・グリフィンって誰?」なのに加え、自分が知ってる「Everybody's Trying to Be My Baby」とは全然違います。ビートルズカール・パーキンスのバージョンを手本にしたのは間違いないと思います。「Honey Don't」に続いて、当アルバム2曲目のカール・パーキンスのカバーですが、録音したのはこっちが先です。アルバムに2曲もカール・パーキンスのカバーを収録するのはどうよと思うのですが(同系統の楽曲だし)、「Honey Don't」を録音したのは『Beatles For Sale』のレコーディング最終日、そんなこと考える余裕はなかったのかもしれません。

基本的にカール・パーキンスのバージョンに忠実な演奏だと思いますが、ヴォーカルの歌いまわしやギターのフレーズなどそっくりそのまんまのコピーではありません。フレーズをコピーしたのではなく、ニュアンスをコピーしたって感じでしょうか。「Honey Don't」のレビューでも書きましたが、ギターのフレーズは本家よりもキッチリした演奏をしていると思います。これも「Honey Don't」と同様ですが、テネシアン独特の硬質のサウンドがギターのフレーズと実に合っています。ビートルズがいつくらいからレパートリーにしていたか定かではありませんが、演奏し慣れていたのは確実で、ジョージはヴォーカルとギターともにノビノビと演奏しています。「I'm Happy Just To Dance With You」を歌っていたのと同じ人とは思えません(笑)。

ジョージのヴォーカルとギター以外の楽器については、分離がよろしくなく良い音とは言えません。大量にエコーをかけたジョージのヴォーカルマイクが、楽器演奏の音も拾っているようです。この曲のレコーディングは1テイクで終了しているのですが、タンバリンが入っているのでメンバー以外の誰かが参加していると思われます。このタンバリンが大きめにミックスされているので、余計に他の3人の演奏を分かり難くさせています。

アルバムのラスト曲としては不思議な感じもしますが、これまでの3枚のアルバムと照らし合わせてみると、1stと2ndはハードな曲がラストを飾っているので、その流れを継ぐ曲なのかなって思います。曲のエンディング近くで、ジョージのギターとリンゴのドラムのカッコいい絡みを聴くことができますが、アメリカ制覇を成し遂げた一年を締めくくるのに相応しい曲なのかなと、半ば強引に思うことにします(笑)。

Carl Perkins

Rex Griffin