本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

Tell Me What You See

この曲もHohner Combo Pianetがサウンドの中心になっています。「The Night Before」や「You Like Me Too Much」では楽曲全編で使われていたのに対し、この曲ではピンポイントですけど非常に効果的に使われています。新作映画のサウンドトラックのレコーディング期間中の2月18日に録音されましたが、映画には採用されずB面に収録されました。

ギロというラテン・パーカッションをジョージが演奏しています。ジョージは演奏し慣れているハズはないんですけど、意外としっかり演奏しているなぁと思います。その道のプロが聞いたら全然ダメなのかもしれませんが(笑)。それとクラベスもジョージが演奏しているようです。前のアルバム『Beatles For Sale』までだったら、ジョージがギターを弾かずにパーカッションのみってのは考えられなかったのですが、このアルバムのレコーディングを境に、ジョージはギター、ポールはベースという今までのような編成では語れなくなってきました。ジョージがギターを演奏していないので、コードを鳴らしているギターはジョンが演奏していると思われます。この頃に入手したフェンダーストラトキャスターを演奏しているようです。ベースはパターン化されたフレーズをあまり崩さずに演奏しています。ブレイク後に入るHohner Combo Pianetもポールが演奏していて、フレーズといい音色といいこの曲のハイライトと言えるでしょう。Hohner Combo Pianetを追いかけるように入るリンゴのドラムは、強めのキックとリムショットで楽曲にメリハリをつけています。リンゴはタンバリンをオーバーダビングしています。

楽曲は1パターン16小節のシンプルな繰り返しで、3つのコードだけで構成されています。ポール主体で作ったと思われ、何となく「Every Little Thing」の劣化版といった印象を受けます(苦笑)。ヴォーカルは楽曲全編でジョンとポールのデュエットと思っていたのですが、ヴァースの"I will prove to you"や"If I'm part of you"の部分は、ジョンとポールのユニゾンではなくポールがダブルトラックで歌ってると思います。キメのコーラス"Tell Me What You See"の部分はジョージも加わります。上からポール、ジョン、ジョージの順、ポールとジョージのパートはコード(G)に対してテンションの音でハモっています。楽曲が極めてシンプルなので、工夫もなく演奏していたらつまらない曲になってしまうんですけど、色々とアイデアを盛り込んでアレンジャーとしての才能を見せつけた一曲になっています。