1967年3月の「With A Little Help From My Friends」制作中に、ポールはジョンにこの曲を披露しているのですが、その時点で歌詞はまだ完成していなかったそうです。完成した歌詞の1フレーズ"The man with the foolish grin is keeping perfectly still"で使われる"grin"(smileよりもハッキリと笑うこと)という単語は、その年の夏に初めて会ったマハリシ・マヘシ・ヨギからインスピレーションを得たそうです。歌詞の内容的にはガリレオ・ガリレイが思い浮かぶのですが、ポールのコメントで彼の名前を目にした記憶がありません。タイトルの「Fool On The Hill」は、ビートルズとも関わり深いオランダのデザイナー集団のザ・フールや、タロットカードの愚者(フール)に因んだものです。
続きを読むRubber Soul Special Editon - 4CD Super Delux

待ち望んだ『Rubber Soul』のスーパーデラックスな訳ですが、とにかく高い!うまい具合にヨドバシのポイントが貯まっていて、約5000円の値引きで買えたのですが、ヨドバシの通販サイトで買おうとしたら受付終了していたのには焦った。結局ヨドバシの実店舗にいって予約したのですが、予約でCD買ったのって高校生以来じゃないのか(苦笑)。
ニュー・ステレオ・ミックスで泣き別れが解消されたのですが、思いのほか「変わったなぁ」って印象は受けなかった。今まで聞こえなかった音が聞こえるようになるのがニュー・ステレオ・ミックスの楽しみですが、リンゴのキックと演奏中のおしゃべりだけが印象に残っており、自分自身の集中が足りないのかもしれない。ニュー・ステレオ・ミックスで一番良くなったと思うのが「Wait」。逆に良くなり過ぎて、これまでと反対の意味でアルバムの中で浮いてる気がする(苦笑)
未発表だった「Little Girl」は驚きでした、悪い意味で。『Rubber Soul』の頃のジョンが書いたとは信じがたい。『Help!』の頃のジョージの曲みたい(ジョージ、ごめん)。「Norwegian Wood」のアウトテイクを聴いて、ジョンはこの頃すでに「Tomorrow Never Knows」のサウンドがおぼろげながら見えていたのでは、と思いました。ヴォーカル抜きのカラオケだけではなく、制作過程の分かるテイクをもっと収録してほしかったのが本音ですが、『Rubber Soul』に限らず最後まで演奏しきったテイクがそんなにないのかもしれません。アウトテイクやデモがあれほど潤沢にあったホワイト・アルバム、あれは異常であったということですね。
Super Deluxは4CDですが、オリジナル・モノはともかく、キャピトル編集の『Rubber Soul』なんてまったく欲しくない。テイク違いやキャピトル独自のイコライジングなど、ビートルズの意思が反映されてないものには食指が伸びない。3CDでもっと安くしてほしかったですな。
Your Mother Should Know
映画『Magical Mystery Tour』のフィナーレで使われた曲です。楽曲に合わせてステップを踏む4人を見る事ができますが、見事というほど揃っているわけでもなく、ファンだったら暖かく見守ってあげるシーンかと思います(苦笑)。ジョンは目が終始バッキバキなんですけど、ふざけ方って万国共通なんだなと、妙なところで感心してしまいます(笑)。「All You Need Is Love」のレビューでも触れましたが、世界24か国で放送された「Our World」用の曲としてポールが持ち込んだのが、この「Your Mother Should Know」でした。
続きを読むMagical Mystery Tour
ビートルズが製作、主演したテレビ映画のテーマ曲です。当時の恋人ジェーン・アッシャーの誕生日を祝いにアメリカに飛んだポールが、アメリカ滞在中に映画の制作を企画してメンバーの同意を得ると、とりあえずテーマ曲が必要だろうということでポールが作曲しました。ここまで驚くほどのスピード感で、この企画に対するポールのモチベーションの高さが窺えます。
続きを読む『Magical Mystery Tour』その2

先日のレビューの続きです。
映画「Magical Mystery Tour」用に新たに録音されたのは6曲。アルバムとして発表するには曲が少ないため、EP盤2枚組という変則的な形式でイギリスでは発売されました。アメリカではその当時EP盤は廃れていたため、キャピタル・レコードは1967年にシングル盤として発表された5曲を加えてLPレコードとして発売しました。イギリスでもアメリカからの輸入盤が人気を集め、初CD化の際にはオリジナル・アルバムと同等の扱いを受けるようになりました。リアルタイムのイギリス国内のファンを除けば、映画「Magical Mystery Tour」のサウンドトラック盤といえば、キャピタル編集盤のことを指していると言ってもいいでしょう。
『Magical Mystery Tour』その1

1967年4月1日に「Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band(Reprise)」のレコーディングを終え、その翌々日にポールはジェーン・アッシャーの誕生日を祝うためアメリカに旅立ちました。ポールは旅行中に出会ったヒッピー・グループから、車体を虹色に塗装したバスに乗り込んで全米をツアーしたエピソードを聞きました。そのエピソードを聞いたポールは、あるアイデアが閃きました。ポールの幼少時代、リバプールではミステリー・ツアーと称して、リバプールの北に位置する保養地ブラックプールまでのバスツアーが行われていました。たくさんのビールがバスに積み込まれ道中は歌いっぱなし...自分が子供の頃の町内会のバスツアーを思い出しました(笑)。それはともかく、ポールは2つのバスツアーを合体させて、それにビートルズが乗り込んで撮影すれば映画になるのではと思いつきました。当時ビートルズのメンバー内ではビデオ・カメラが流行っており、ポールはアメリカにビデオ・カメラを持参して道中を撮り続けていました。新作映画を自ら撮影するという発想は自然な流れだったのでしょう。帰国したポールは映画のアイデアをブライアン・エプスタインに伝え、エプスタインはその企画に賛成したそうです。ビートルズのツアーがなくなり、自分の立場に危機感を覚えていたエプスタインが賛成したのは当然の流れだと思いますが、脚本や撮影までビートルズ(ポール)が行うことに賛成していたとは思えませんが...。『Sgt.Pepper』のレコーディングが終了して1ヶ月も経たない、1967年4月25日に映画のタイトル曲をレコーディングする恐るべきスピード感。
続きを読む浅井愼平 60th写真展 HELLO GOODBYE

先週、夏休みをもらって東京に行った際、三越本店で開催中だった浅井愼平氏の写真展を運よく見ることができました。ビートルズが東京に滞在中、ヒルトンホテルと武道館での様子が捉えられています。武道館はともかく、ホテル滞在中も見知らぬ人たちが入り込んで、ビートルズのメンバー達の気が休まる時はなかったんだろうなと思います。
2年前のポールの写真展でもホテル滞在中の様子が捉えられてましたが、その時と同様にホテル内ではみな穏やかな表情をしていました。知らん奴がいっぱい入り込んでいる状況で、あまりバカ騒ぎはできないか(笑)。ただポールの写真展の時と違うのは、穏やかな表情の奥の孤独感というか疲労感が滲みでていて、これ以上ツアーを続けるのは無理だったんだろうなというのを強く感じました。
今まで思い違いをしていたことに気づいたのですが、日本公演の最終日の7月2日に日本を経ったのではなく、翌7月3日に出発したことをこの写真展で初めて知りました。ホテルと武道館の行き来だけで退屈だったかもしれないけど、フィリピンやアメリカで彼らの身に起こったことを考えると、日本滞在中は静かに過ごせたことだけは良かったなぁと思った次第です。
