本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

Sie Liebt Dich

ドイツでのビートルズのレコード販売元であるオデオンからの強力な要請により、ドイツ語でレコーディングすることになったようです、フランスのレコーディング・スタジオで...。

 で、このドイツ語バージョン、ドイツで商業的に成功したんですかねぇ。メンバー的には不本意なレコーディングとなりましたが、この曲と「Komm,Gib Mir Deine Hand」のレコーディングを終わらせた後、「Can't Buy Me Love」のレコーディングまで終わらすことができたので、最終的には実りの多いレコーディングとなったのではないでしょうか。

以前「She Loves You」の記事で、マスターテープが残ってないからドイツ語バージョンのレコーディングで一から録音する羽目になったって書いたんですけど、よくよく考えるとマスターテープが残っていたとしても演奏の録り直しは必要だった気がします。なぜなら、当時はまだ2トラックのレコーダーを使っており、ヴォーカルと楽器が同じトラックに録音されていたからです。ヴォーカルと楽器演奏を完全分離していれば、歌だけを録り直せば良かったんですけどね。まぁ、肝心のマスターテープが存在しないので、不毛な仮説だと思いますが(苦笑)。

英語バージョンでジョンがJ-160Eを弾いていたのをリッケンバッカー325に変えた以外、基本的に英語バージョンと同じように演奏しています。テンポが速くなったのとジョンのヴォーカルがオフ気味なせいで、全般的にちょっと軽い印象を受けます。ジョンはファルセットでハモるところ、ポールと同じ音を歌うミスもあったりして(しかもこれがOKテイクになってるんですが)、高いモチベーションで臨んだのではないであろうことは伝わってきます。まぁこれは、ドイツ語バージョンを強要したオデオンが全面的に悪いと思いますけどね。さっさとレコーディングを終わらせたと思っていましたが、意外と時間がかかって14テイクも録音していました。恐らくドイツ語で歌うことに難渋したのだと思いますが(苦笑)。