本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

Yes It Is

シングル「Ticket To Ride」のB面曲で、英国オリジナルのアルバムには収録されていません。これまでのシングル曲は、A面がアルバムに収録されたらB面も収録されるし、A面がアルバム未収録であればB面も未収録だったのですが、「Yes It Is」はB面のみアルバム未収録となったビートルズ史上初のシングル曲となりました。何か偉業を成し遂げたような書きぶりですが、偉業でもなんでもありません(笑)。シングルB面曲のみアルバムに収録されなかったパターンは、この曲のほかには「I'm Down」「Baby,You're A Rich Man」「Don't Let Me Down」「You Know My Name」があります。「Yes It Is」や「I'm Down」に関しては、カバー2曲の代わりにアルバム『Help!』に収録すれば良かったのにって思うのですが、レコーディング当初からアルバムに収録する予定はなかったようです。

「Yes It Is」は映画『Help!』のサウンドトラックのレコーディングが開始された2日目、1965年2月16日にレコーディングされました。YouTubeでテイク1を聴くことができます。テイク1かどうかはともかく、楽曲の構成はリリースされたものと大差ないので、楽曲が仕上がった状態でレコーディングに臨んだと思われます。ジョージはいわゆるバイオリン奏法を披露しています。「Baby's In Black」でもバイオリン奏法を披露しましたが、ジョージが演奏するギターのヴォリュームをジョンが操作する「二人羽織り」奏法とでも言うべきものでした。このテイク1では、ジョージのギターの他にもアコースティックギターの音が聴こえるので、バイオリン奏法はジョンとの共演ではなく、ジョージがヴォリュームペダルを駆使して演奏しているようです。フレーズを模索中って感じの不安定な演奏なので、YouTubeの演奏がテイク1ってのはあながち嘘ではないかなって思う次第です。また、テイク1ではジョンはJ-160Eをアコースティックで演奏しているようです。OKテイクではガットギターを演奏しているのですが、何か理由があるのかと調べたところ、テイク2の途中でJ-160Eの弦が切れたらしく、テイク3からガットギターに持ち替えたようです。ネットの情報なので全面的に信用できませんが、レコーディング途中にギターを持ち替えたのは確かです。

リズムトラックを14テイク録音し、14テイク目に3人のヴォーカルをオーバーダビングしたようです。それとは別にジョンのソロパートとジョージのギターをオーバーダビングしています。「This Boy」と同じく3人のヴォーカルの絡みが最大の聞きどころですが、「This Boy」と較べてハモリの難易度は高いです。特にジョンとポールの間を割って入るようなジョージのパートが最大の難関で、音がぶつかったりジョンと高低入れ替わったり、ジョンとポールとの力関係で無理矢理押し付けられたのではとジョージには同情します(苦笑)。確かライブ演奏をしたことないはずですが、楽器演奏しながらジョージのパートを歌うのは至難の業ではないかと思います。

3人のハーモニーの難易度を上げたり、ジョージのヴァイオリン奏法をフィーチャーしたり、「This Boy」に色々改良を加えていますが、「This Boy」と較べてそれほど良くもなってないってのが正直な感想です。ジョン曰く「This Boy」を改良しようとしたが上手くいかなかったとの事ですが、何事も凝りすぎは良くないってことなんですかね。何様のつもりやねん的な暴言をお詫びして、このレビューを終わりたいと思います(汗)。

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