本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

Anytime At All

アルバム『A Hard Day's Night』のレコーディングは、映画の撮影が始まる直前の1964年3月1日で一旦終了し、4月16日にタイトル曲「A Hard Day's Night」がレコーディングされたのを挟み、6月1日と2日で「You Can't Do That」を除くB面曲が一機にレコーディングされています。6月1日と2日にレコーディングされた曲は、アルバム『A Hard Day's Night』のB面もしくはEP盤「Long Tall Sally」に収録されることが最初から決まっており、メンバーのモチベーション的には決して高くなかったのではと思うのですが、なかなかの力作ぞろいとなりました。

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Can't Buy Me Love

アルバム『A Hard Day's Night』のA面ラストは、既発表のシングル曲「Can't Buy Me Love」です。アメリカでは1964年3月16日に発売されており、イギリスの方はそれより遅い1964年3月20日に発売されています。アメリカの方が先行してリリースされるなんて半年前では考えられない事態ですが、それだけ「I Want To Hold Your Hand」のヒットのインパクトが大きかったのでしょう。

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Tell Me Why

初期のビートルズは、特にコーラスやハーモニーにおいて、アメリカのガールズポップの影響を多大に受けていました。その割には、そういったテイストのオリジナル曲ってのが意外とありませんでした。「Tell Me Why」は映画『A Hard Day's Night』収録曲にアップテンポの曲が少ないという要請を受け、ジョンが書き上げた曲と言われています。そしてこの曲は、ビートルズの全作品でアメリカのガールズポップの影響が最も色濃く出た作品となりました。レコーディングは2月27日に行われ、8テイクで録音は終了しています。

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And I Love Her

アルバム5曲目にして、ポールのヴォーカル曲が初登場です。ただし「A Hard Day's Night」や「If I Fell」でポールの見せ場があるので、初登場感はそれほどありませんが。「If I Fell」「I'm Happy Just To Dance With You」に続いて、映画ではリハーサルのシーンで演奏されました。当時、音楽的には絶好調だったジョンに対し、ポールの方はルックス面が絶好調で人生のピークであったと思われます。この曲の演奏シーンで当時も今もどれだけの女性がメロメロになったことか(笑)。

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I'm Happy Just To Dance With You

レコーディングは1964年3月1日に行われたのですが、これは彼らにとって初の日曜日のレコーディングとなりました。翌日3月2日から始まる映画『A Hard Day's Night』の撮影に、何とか間に合わす為の処置だったと思います。最初に「I'm Happy Just To Dance With You」が録音され、次に録音された「I Call Your Name」も当初は映画に使われる予定でした。後に「A Hard Day's Night」を録音したことで、「I Call Your Name」はEP盤に回されることになりました。と言うことで、この曲のレコーディングは映画の撮影開始まで待ったなしの状況でした。映画用の曲があと2曲足りない状況で、何か何でも完成させなければいけなかった曲です。ビリー・J・クレーマーに提供した「I Call Your Name」をセルフカバーしていることからも、切羽詰まった状況だったことが伺われます。

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If I Fell

映画の中では、テレビ局のスタッフに自分のドラムセットを触られ機嫌を損ねたリンゴのため、なだめるようにジョンが歌いだしてリンゴの機嫌が直る、何ともイカしたシーンに使われています。ところで、このシーンの演奏は「I Should Have Known Better」のスタジオ演奏シーンと同じく、レコードよりキーが半音低いです。その理由は「I Should Have Known Better」のところに書いたので、詳しくはそちらを見てもらうとして、このシーンではキーが下がる原因になっているテレビモニターは写っていません。「I Should Have Known Better」のところに書いた理由では説明がつかないのですが、唯一考えられるのはテレビモニターが写るシーンはあったけど、何らかの理由で最終的にカットされたのではなかろうかと...。かなり憶測で語っているので、適当に聞き流してください(笑)。

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I Should Have Known Better

映画と同様、アルバムでも2番目に登場するポップな楽曲です。彼らのルーツであるR&Bモータウンのガールズポップ臭が希薄で、フォークソングっぽくも感じます。フォークソングといってもトラディショナルなやつではなく、日本のフォークソング風なんですが(笑)。彼らの作品で同系統の曲が思いつかず、結構珍しい作風だと思っています。キーGメジャーのダイアトニックコードで構成されていますが、唯一使われているノンダイアトニックコードのB7の存在が、お気楽なフォークソング風になるのを食い止めてビートルズらしい作品にしています。

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