アルバム『A Hard Day's Night』のレコーディングは、映画の撮影が始まる直前の1964年3月1日で一旦終了し、4月16日にタイトル曲「A Hard Day's Night」がレコーディングされたのを挟み、6月1日と2日で「You Can't Do That」を除くB面曲が一機にレコーディングされています。6月1日と2日にレコーディングされた曲は、アルバム『A Hard Day's Night』のB面もしくはEP盤「Long Tall Sally」に収録されることが最初から決まっており、メンバーのモチベーション的には決して高くなかったのではと思うのですが、なかなかの力作ぞろいとなりました。
続きを読むAnd I Love Her
アルバム5曲目にして、ポールのヴォーカル曲が初登場です。ただし「A Hard Day's Night」や「If I Fell」でポールの見せ場があるので、初登場感はそれほどありませんが。「If I Fell」「I'm Happy Just To Dance With You」に続いて、映画ではリハーサルのシーンで演奏されました。当時、音楽的には絶好調だったジョンに対し、ポールの方はルックス面が絶好調で人生のピークであったと思われます。この曲の演奏シーンで当時も今もどれだけの女性がメロメロになったことか(笑)。
続きを読むI'm Happy Just To Dance With You
レコーディングは1964年3月1日に行われたのですが、これは彼らにとって初の日曜日のレコーディングとなりました。翌日3月2日から始まる映画『A Hard Day's Night』の撮影に、何とか間に合わす為の処置だったと思います。最初に「I'm Happy Just To Dance With You」が録音され、次に録音された「I Call Your Name」も当初は映画に使われる予定でした。後に「A Hard Day's Night」を録音したことで、「I Call Your Name」はEP盤に回されることになりました。と言うことで、この曲のレコーディングは映画の撮影開始まで待ったなしの状況でした。映画用の曲があと2曲足りない状況で、何か何でも完成させなければいけなかった曲です。ビリー・J・クレーマーに提供した「I Call Your Name」をセルフカバーしていることからも、切羽詰まった状況だったことが伺われます。
続きを読むIf I Fell
映画の中では、テレビ局のスタッフに自分のドラムセットを触られ機嫌を損ねたリンゴのため、なだめるようにジョンが歌いだしてリンゴの機嫌が直る、何ともイカしたシーンに使われています。ところで、このシーンの演奏は「I Should Have Known Better」のスタジオ演奏シーンと同じく、レコードよりキーが半音低いです。その理由は「I Should Have Known Better」のところに書いたので、詳しくはそちらを見てもらうとして、このシーンではキーが下がる原因になっているテレビモニターは写っていません。「I Should Have Known Better」のところに書いた理由では説明がつかないのですが、唯一考えられるのはテレビモニターが写るシーンはあったけど、何らかの理由で最終的にカットされたのではなかろうかと...。かなり憶測で語っているので、適当に聞き流してください(笑)。
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