本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

Michelle

ビートルズとしてデビューする前から、この曲の原型は出来ていたらしく、ポールにとっては冗談で歌う曲という位置づけでした。アルバム『Rubber Soul』の製作にあたり、ジョンの勧めでレコーディングすることになったそうです。何度も書いてる通り、アルバム『Rubber Soul』は曲を作りながらレコーディングする自転車操業だったため、使えるものはなりふり構わずってくらい追い込まれていたのかもしれません。

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The Word

「過小評価されているビートルズの楽曲」という不名誉なランキングが存在したら、堂々の1位はこの曲ではないかと思っています。「堂々の1位」と言うのも変な話ですが(苦笑)。「概念としての『愛』をテーマにした最初の曲」的な紹介文もあって、それはそれで間違いではないのですが、そんなことより「アレンジやメンバーの演奏が超カッチョイイ」ということを真っ先に触れるべき楽曲でしょう。この曲に関するジョンやポールのコメントによると、「Long Tall Sally」を引き合いに出して記憶に残る曲を作ろうとしたそうです。このコメントを知るまで、この曲から「Long Tall Sally」を連想したことなど一度もありませんが、ビートルズ全作品で最もブラックなグルーヴはリトル・リチャードゆずりなのかもしれません(この辺テキトウ)。

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Denny Lane

ムーディー・ブルースのオリジナル・メンバーで、ポール・マッカートニーのウイングスでも活躍したデニー・レインが、12月5日、79歳で永眠した。間質性肺疾患を患っていたという。

Wingsのメンバーとしての活動しか知らないけど、それなりに思い入れはあります。特に、『Band On The Run』レコーディングでナイジェリアのラゴスに向かう際、メンバー2人が脱退するんですけど、よくぞ踏みとどまってくれたと思います。アルバム収録曲の大半は、ポールと2人でベーシック・トラックをレコーディングしているハズなので、あの名盤の製作過程における彼の貢献度は高かったと思います。正直、彼が作る楽曲やヴォーカルはそんなに好きじゃなく(苦笑)、フロントマンと考えると物足りないがメンバーにいてくれると何かと助かる、自分にとってはそんな存在でした。無礼ですいません(汗)。

『Tug Of War』のレコーディング・セッション中にWingsから脱退を表明し、その当時はポールとの仲がかなり険悪だったそうですが、長い年月を経て和解できたようで良かったなと思います。

ご冥福をお祈りします。

Think For Yourself

充分な楽曲のストックがない状況でレコーディングが開始されたアルバム『Rubber Soul』は、レコーディング期間中も作曲活動に追われる自転車操業で、なんとか完成に漕ぎつけました。「Think For Yourself」はレコーディング期間の終盤、1965年11月8日にレコーディングが行われたことから、『Rubber Soul』のレコーディングと並行して、ジョージが作り上げた可能性があります。11月4日にはジョージが主導したと思われる「12-Bar Original」をレコーディングしたものの結局ボツになっており、いよいよ「ケツに火が着いた」心境だったのではないでしょうか。

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Carole King Home Again Live in Central Park

「1973年、ニューヨークのセントラルパークで行われたキャロル・キングの凱旋コンサート。50年の時を経てよみがえった未発表映像がスクリーンに登場」...だそうです。

実は、動くキャロル・キングを見るのは初めてだったのですが、とても可愛らしい女性であったのがまず驚きでした。と言うか、女性としてむちゃタイプです(笑)。それはともかく、パフォーマーとして非常に優秀だったのが、とにかく印象的でした。彼女がシンガー・ソングライターになる前、ソングライター時代のエピソードで、シンガーやバンドに楽曲を覚えてもらうため、彼女自身が作ったデモテープの出来が良すぎたってのが理解できました。

コンサート前半は『Tapestry』からの選曲を中心としたピアノの弾き語り、後半は『Fantasy』の楽曲をバンドで演奏したのですが、終始キャロルのヴォーカルとピアノが圧倒的でした。アルバム『Tapestry』はバンドも演奏しているのですが、バンドがなくても彼女のヴォーカルとピアノだけで成立することを改めて実感できました。

ピアノの弾き語りによる「You've Got A Friend」でコンサートは終了。ポール・マッカートニーのコンサートの「Golden Slumbers~Carry That Weight~The End」と同じで、この曲に後に演奏できる曲は存在しません。

本当に素晴らしいコンサートでした。

Now And Then

「Now And Then」を何回か聴いての感想です。まだ自分の評価が定まってないので、いつも以上にとりとめのない文章です(苦笑)。

まず、ジョンのヴォーカルの臨場感に驚きましたね。音を剥がす技術は20年くらい聴いてきましたが、これまでで一番じゃないですかね。ただ、驚いたのはここまでで、楽曲の仕上がりは期待はずれでした。メロディが終始物悲しいのと、品よくまとまり過ぎたアレンジには違和感を覚えました。ビートルズの作品ではなく、ジョンの未発表音源を聴いてる感しかしませんでした(ある意味、正しいですが)。

以上が2回ほど聴いての感想でしたが、オフィシャル映像つきで聴くと、印象がガラっと変わりました。映像の方も驚きの編集技術で、在りし日のジョンとジョージの映像と、現在のポールとリンゴが違和感なく並んでるのには感動しました。だいたいみんな、ジョンの声とこの映像にやられてるんだろうな(笑)。品良くまとまり過ぎた(と感じた)アレンジも、ポールとリンゴの今の年齢を考えると、逆にこれこそリアルなのではないかと。

テクノロジーの進化により、長く未完成のまま放置されていた楽曲を、ポールとリンゴが完成させたことに意義のある楽曲だと思うのです。往年のビートルズの楽曲と比較して優劣をつけることに意味があるとは思えません。ポールとリンゴが、ビートルズのために楽曲を完成させ、それを同じ時代に聴くことができたことを喜びたいと思います。

Nowhere Man

デビュー後のビートルズのライブ活動は、1公演につき約35分11曲程度しか演奏しなかったため、ライブ演奏されたことのないアルバム収録曲は数多く存在します。その傾向は『Rubber Soul』から拍車がかかり、このアルバムからライブ演奏されたのは2曲しかありません。そのうちの1曲がこの「Nowhere Man」で、日本公演でも演奏されました。ジョン・ポール・ジョージの3声のハーモニーがライブ演奏する際のネックになりそうなものですが、過去には「This Boy」とかライブ演奏していますし、ハーモニーによほど自信があったのでしょう。

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