本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

Eight Days A Week

レコードでは、この曲からB面になります。シングルカットを念頭に、ポール主導で作り上げた楽曲です。結局シングルの座は「I Feel Fine」に譲ることになりましたが、アメリカではシングルカットされてビルボード誌のチャートで1位を獲得しました。ポールの2013年の来日公演ではオープニングナンバーとして演奏されました。この時の来日公演がポールのコンサート初体験だったのですが、ポールと同じ空間にいることに興奮が抑えられず、オープニングのこの曲についてはあまり記憶に残っておりません(苦笑)。

レコーディングが行われたのは1964年10月6日、この曲のためだけに1日を費やしただけあって、楽曲には色々と工夫の跡が見られます。『Anthology』などで確認できるように、イントロは当初のアイデアから試行錯誤があって、12弦ギターをフェイドインする形に収まりました。12弦ギターはイントロとアウトロにしか登場しませんが、楽曲全編に影響を与える重要なパートです。難易度の高いプレーではありませんが、12弦特有のサウンドを活かしたセンスが光ります。ドラムとベースのフレーズも作りこまれていて、メロディに合わせるかのように変化をつけています。ひょっとしたら、ポールあたりからドラムのフレーズに細かく注文が出ていたのではと思います。ただし、ドラムは終始オフ気味でハイハット以外はハッキリ聞こえません。

楽曲全編ジョンとポールのデュエットってのが通説ですが、冒頭のユニゾンの部分はジョンのダブルトラックのようにも聞こえます。ただ、"Hold me,love me"と高低分かれる部分でははっきりポールの声も聞こえるので、通説どおりユニゾンの部分もポールとのデュエットと考える方が自然でしょう。ハモリにはジョージも要所要所で参加しており、登場回数は意外と多いです。

腕利きの料理人が手をかけて調理したものの、そもそも素材がそれほどでもなかったって感じですかね。ビルボードで1位を獲得した偉大な曲に対して、何で上から目線やねんと思うのですが(爆)、ビートルズの標準レベルから特に秀でた作品ではないと思います。とは言え、『A Hard Day's Night』から大して時間が経過していないのに、無理矢理にでもこれだけの曲を用意できるのは凄いことなんですが(苦笑)。

Eight Days A Week (Anthology 1 Version / Complete)