本家☆にょじやまラーメン(音楽味)

ビートルズを中心に、音楽素人のディスクレビューです。

You Like Me Too Much

1965年2月15日から始まった新作映画のサウンドトラック用のレコーディング・セッションに、ジョージは「I Need You」と「You Like Me Too Much」を提供しました。新作映画の監督、リチャード・レスターは「I Need You」を映画に採用し、「You Like Me Too Much」はアルバムB面曲に収まりました。アルバム『A Hard Day's Night』のレコーディングで採用されなかった「You Know Waht To Do」の上位互換というか、改良して出来上がったのがこの曲じゃないのかと思っています。

レコーディングは1965年2月17日に行われ、この曲の前にレコーディングされた「The Night Before」と似たような楽器編成です。この曲のサウンドの中心、Hohner Combo Pianetはジョンが演奏しています。「The Night Before」ではリッケンバッカー325をかき鳴らすような荒々しい演奏でしたが、この曲では鍵盤楽器らしい軽やかな演奏です。ジョージはJ-160Eでコードをかき鳴らし、リードギターはテネシアンを演奏しているようです。間奏はテネシアンとアコースティック・ピアノの掛け合いが楽しめます。アコースティック・ピアノは1台のピアノをジョージ・マーティンとポールが分け合って、ジョージ・マーティンが高音部、ポールが低音部を担当しています。ジョージのヴォーカル曲では大人しくしていられないポールのベースですが、所々で手数が増えることもあるけど、比較的おとなしめの演奏です。リンゴは得意のシャッフルのリズムを軽快に演奏していて、途中で入る3連のフィルインもイイ感じです。

「I Need You」と同じく、ジョージのヴォーカルは武骨だったこれまでのスタイルから打って変わって、女性受けのしそうなマイルドな歌い方です。ヴォーカルはダブルトラックで、歌中のハモリはダブルトラックのヴォーカルが上下に分かれるジョージ1人によるものです。ジョンかポールが歌ってあげればいいのにって思うんですが、ジョージの意向でこうなったんでしょうかね。

楽曲やジョージのヴォーカルに若干のぎこちなさが残ってますが、それもこの時期のジョージならではの魅力と言えなくありません(苦笑)。そのぎこちなさも早々に解消し、ジョンやポールに匹敵するソングライターに成長するんですけどね。